第56代理事長 山下晋太朗

【はじめに】

 船橋青年会議所は1970年、全国で456番目、千葉県内では13番目のLOMとして創立されました。その後、社団法人、公益社団法人とあり方を変遷させる中で「明るい豊かな〈まち〉づくり」という目的を掲げて参りました。

創立より55年の時を経て尚、我々が活動・運動に邁進することが出来るのは、会の想いに賛同してご協力くださる市や他団体・船橋市民の皆様、共に運動発信を続ける同士である他LOMの皆様、そしてこの団体の歴史を紡ぎ続け、今も支援くださっているOB・特別会員、先輩諸兄・諸姉のおかげであると感謝いたしております。

そんな皆様に支えられた私達はただそこに存在を続け、黙々と日々の活動をこなし、運動を展開していればいい団体ではありません。「明るい豊かな〈まち〉づくり」という目的を実現する為に何をすべきなのか、何を求められているのか、変わり続ける時代の変化に対応しながら、常に考え、行動し続けなければなりません。

今求められる公益社団法人船橋青年会議所の姿を会員全体が共有し、心を合わせてまちに発信して参ります。

 

 

【各々の役割を理解し合う組織運営

  現在の船橋青年会議所は会員数の減少、また入会2年未満のメンバーが多数を占めるという状況から、役職者の固定化が深刻な問題の一つになりつつあります。

これでは青年会議所の特色である単年度制のメリットを活かせず、会員の成長の機会を奪うことになりかねないと考えます。

この状況を改善するためには、会員拡大に引き続き邁進するとともに、単年度制のデメリットである慣れない役職に対する各メンバーの負担を軽減し、誰もが新しい役職を受けやすい環境作りが求められます。

時間的・体力的な負担と精神的な負担の両面を軽減できるよう、会員間の意見共有ができる機会を設け、各メンバーがそれぞれのポストの役割や考えをお互い理解し合うことで、入会年数の浅いメンバーでも不安を感じることなく役職につける下地を作ることが必要と考えます。

今の船橋青年会議所にふさわしい形を会員の皆で力を合わせて作り上げていける環境づくりをして参ります。

 

 

 

【得意分野を生かした全員参加の会員拡大】

 船橋青年会議所の会員数はここ数年減少を続けてきました。

しかし2023年の会員拡大に対する取り組みが少しずつ効果を上げ、新入会員の増加傾向が見られます。この流れを止めることなく持続し続けることが重要です。

引き続き、会員一人一人がJC活動・運動の意義を見出し、青年会議所の魅力を発信することができるよう、会員間、先輩諸兄、他LOM、他団体との交流の機会を創出していきます。

また会員拡大においては、会員それぞれに得意分野があります。各々がそれぞれの実力を発揮できる分野で拡大へ協力しながら動くことができれば、各々が当事者意識を持ちながら活動することが出来、会員数増加という結果にも繋がってくるものと考えます。

54年の歴史を持つ船橋青年会議所が今後も想いを繋ぎながら継続できるよう尽力いたします。

 

 

【自分で選択が出来る青少年育成】

 様々な情報に簡単につながれる時代においては子どもたちも又、自分の生きる為の指針、手本と簡単に繋がりやすい環境にあると言えます。しかし、多様性、個性を尊重する時代、その手本通りに生きることが本来のその子どもたち一人一人の生き方と言えるでしょうか。

自分の好きなもの、嫌いなもの、得意なこと、苦手なこと、まずは自分のことを知らなければ、自らにとって最良の生き方を見つけることは出来ません。

その為には、自らの意志で自らの行動を決めるという過程は非常に重要なものになります。

誰かに言われたわけでは無く、真剣に悩み、決断し、その責任が自らにかかる経験は、その結果の成功や失敗にかかわらず、子どもたちに主体性を生み出す貴重な機会になってくれると考えます。

自分で選択が出来る子どもは様々なことに挑み、そのたびに自分というものに向き合い、自らの生き方を見つけることが出来るでしょう。

そしてその時、選択肢は多ければ多い程、子どもたちはより一層自らと向き合うことが出来るため、大人は子どもたちに多種多様な可能性に触れる機会を提供すべきだと考えます。

どのような時代においても子どもたちはまちの宝であり、希望です。子どもたちがどのような成長を遂げてくれるかは私達大人の手に委ねられています。

 

 

【自ら機会に手を伸ばす事の出来る人材育成】

 近年の技術の発達は目覚ましく、小さい子どもからご年配の方まで多くの情報にいつでも繋がれるような社会になりつつあります。これは非常に素晴らしいことであり、人の生活はより便利に、より豊かになったと言えるでしょう。

しかし、それに併せて一人一人にとっての情報の重要性が薄まっているように思います。いつでも手に入る情報は、いつか知れば良い情報になり、いつでも手に届くところにあるからこそ、私達は知る機会を自ら手放してはいないでしょうか。

多様性の尊重される世界において、今こそ積極的に多くの情報を知り、多くの考えに触れ、多くの価値観を身につける意識変革が必要であるはずです。

特に社会に出ることで出合いや繋がりは固定化し始め、新しい情報を得なければならない機会は狭まってきます。自分から情報を求めることが出来る人間だけが成長を続けることが出来るのです。

学ぶべきは今であると、手を伸ばすところにある情報を率先して取得しにいける人材育成を目指し、自ら様々な情報を得ることの重要性、楽しさの気付きを得る機会を私たちは提供していきます。

 

 

【市民のニーズを理解したまちづくり】

私達が住む船橋市は人口約64.5万人と、千葉県内では千葉市に次いで第2位の人口規模を持つ都市です。これは船橋市が様々な面で魅力溢れるまちづくりが進んでいるからこその結果であると考えます。

しかし、更にまちを良くしていこうと考えるのであれば、どこに課題があるのか、何が求められているのか、船橋に住む市民や船橋で働く方々、船橋市を知る方々の生の声が非常に重要になります。

それにより、まちや地域に根ざす団体は、課題を設定し、目標を定め、まちをより良くしていく運動を進めていくことが出来るのです。

船橋市民に現状の船橋というまちへの理解を深めていただき、その上で意見や希望といった声を集める機会を創出することが出来れば、船橋は更に「わがまち船橋」と市民が誇り、愛着を持つことが出来る素晴らしいまちになっていくと確信しております。

 

 

【わんぱく相撲の開催】

 わんぱく相撲は、小学4年生から6年生が参加する青年会議所が企画する相撲大会です。日本国内200地区の予選大会から勝ち上がった子どもたちで、東京・両国国技館にて全国大会が開かれ、参加総数は約4万人と小学生対象で最大規模、1976年より38回の開催が続けられてきた青年会議所の一大事業となっています。

船橋でもこれまで地区大会の開催が検討されてきましたが、現在では開催されておりません。しかし、船橋は江戸時代から続く歴史ある船橋大神宮奉納相撲が毎年執り行われ、武道センターには本格的な土俵が備えられているという恵まれた環境があり、市内に相撲部屋を有するなど、古くから相撲に縁が深い土地柄となっております。

船橋の地でわんぱく相撲を開催することは事業の趣旨である「コミュニティの形成」「心豊かな青少年の育成」に資するだけでなく、勝ち進むほどに大きな大会へと繋っていく本大会は子どもたちにとって大きな目標をもって挑んでもらう大切な機会となります。また市民に対しては企画する船橋青年会議所という存在を認知していただく最大の機会ともなると考え、わんぱく相撲船橋場所の開催を目指します。

 

【おわりに】

  船橋青年会議所が目指してきた「明るい豊かな〈まち〉づくり」を実現させることは簡単ではありません。ひとには様々な感性や価値観、考え方があり、明るさ、豊かさは単一の物差しで測り、明確に一つの正解を導き出せるものではないからです。

故に私達は違う感性・価値観・考え方を持ったまま一人一人が「明るい豊かな〈まち〉づくり」を実現するための問題点は何なのか、それを解消するためには何が必要か、その達成のために今、我々が活動・運動を展開しているわがまち船橋の市民に求められているのはどんな機会なのか、常に考え、それぞれの意見を伝え合い、時にはぶつかり合ってでも、よりよい運動を展開していくことが求められます。その為の船橋青年『会議所』なのです。

この非常に難しく非常にやりがいのある目指すべき場所に向かって、会員一人一人が団体にとって非常に重要な一員であるという当事者意識と責任感を持ち率先して即座に動く、一丸となってのJC活動・JC運動に邁進して参ります。

 

 

【スローガン】

 当機即動 ~機をとらえて即座に動く~

 

 

【事業計画】

一、自らの意志で選択できる青少年育成

一、率先して情報を得る意義を理解する人材育成

一、市民のニーズを理解したまちづくり

一、各々が得意な分野を用いて力を合わせ行う会員拡大

一、わんぱく相撲の開催、広報

一、組織・財政の見直し