はじめに
第53代理事長 佐野洸平
はじめに
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、世界規模で様々な危機を引き起こし、それは今なお我々の生活に大きな影響を与えています。我々のJC活動、JC運動もまた大きな影響をうけ、今まで当たり前であった考え方やそれに基づく活動も大きく見直さざるを得ない事態となりました。そしてその影響は今なお続いていて、今まで以上に先の見えないなかでの活動を行なっていく事が必要になってきます。そんな中でも方向性を見失わずJC活動、JC運動をしていくためには、我々の活動は「明るい豊かな社会」の実現という明確な理念をもち目的に向かって行なっていくということを忘れてはなりません。
スポーツの力を地域から始めよう
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、子どもたちは多くの機会が奪われています。特に、運動の機会は、多くの運動施設が閉鎖を余儀なくされたことで減少してしまいました。しかし、この状況であっても日本でなら開催できるとして、当初は開催も危ぶまれていた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も一年延期で無事オープニングを迎え、多くの選手が活躍されました。インタビューで「開催して頂き、感謝します」と語っていた選手がおり、開催されなければ、そのチャンスすらなかったかと思うと、そのコメントが鮮烈に胸に突き刺さりました。
スポーツの力は大きい。そう思わせたオリンピックでは、日本人選手のメダルラッシュに沸き、多くの勇気を貰いました。国を代表して戦う世界的スポーツの祭典であり、この国際競技から得られる感動は計り知れません。競技を観覧した子どもたちが、そのスポーツを始めるきっかけにもなりスポーツ人口が増えるといった統計もあります。我々はこのスポーツの持つ力を信じ、子どもたちにはスポーツを肌で感じてもらうことで、人生の糧となる原体験の機会を創出します。青年会議所ならではのスポーツ事業を展開することで、未来を担う子どもたちの成長へとつなげます。
新しい形の組織運営
昨年は組織運営の点でも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けました。従来のようにメンバーを招集し会議を行うといった「集まる」ということの自粛をもとめられる状況が続いています。その中で現在は従来行ってきたことをオンライン上で行うという手法をとりながら会の運営を行なっていますが、時間や場所の制限からの開放による出席率の向上などのメリットを感じています。
会員間の交流の減少といったデメリットはありますが、組織の運営と会員交流とを分けて考えたときに、組織運営の形として新型コロナウイルス感染症の影響が大きい間だけの臨時の運営手法としてしまうのはもったいない。また、この形での運営はまだ最適化されてはいません、現在オンライン上でのビジネスの仕方がものすごい早さで変化していて、できることもどんどん増えていくと考えます。こういったなかでは新しい形を柔軟に取り入れ変化していくことが必要であると考え、それを実行できる組織づくりをしていきます。
自己変革のできる青年経済人育成
近年の社会の変化や技術革新のスピード、グローバル化による価値観の多様化、先の見えない社会情勢の中では常に学び続け自分をアップデートしていくことは当然必要なことですが、さらにくわえて「学び直せる」ということが重要です。これはある程度の経験を積んで土台がしっかりした人ほど難しく困難であると思いますが、これからの社会の変化のスピードに取り残されず活躍し続けるためには必要なことであると考えます。これを自分の信念をしっかりと持ちながら実行できる青年経済人、リーダーをより多く育成していきます。
魅力ある青少年育成
多様な価値観や様々な情報に幼いときから触れることができる環境の中では、今まで以上に正解と呼べる形が曖昧で、子どもたちの前には多くの選択肢が広がっています。それは大きな可能性であると同時に、その中で自分の価値観や信念からくる生きる基準を子どもたち自ら形成しながら成長していくのはとても困難なことです。
そのような中で、子どもたちが自己を確立し魅力ある人間に成長していくには、何が正しいかを自分で考え、判断しながら行動に移し、結果を受け入れ、自分の強みを自覚しながら成長していくことが重要です。
そのために、しっかりとした信念を持ち子どもたちから見てカッコイイ大人たちが、機会を作り出し、経験をサポートすることで自分で考え行動でき、更に様々な価値観を許容し受け入れることのできる青少年の育成に努めます。
また、そういった青少年を一人でも多く育成することが明るい豊かなまちづくりの基盤になります。
新しい形の活動の発信
会員数の減少は近年常に船橋青年会議所にとって大きな問題となっています。この問題には会員全員が当事者意識を持ち今できることを考えていく必要があります。
また広報に関しては、船橋青年会議所の良さや運動の意義、メンバーの魅力等の積極的な発信ということは常に言われてきましたが、その中で今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で従来のJC活動、JC運動に大きく制限がかかってしまいました。更に、このような状況が今後どれだけ続くかわからず従来行ってきた大規模な活動の見通しの立たない中で我々船橋青年会議所が存在感を発揮していくためには、従来のJC活動、JC運動に加えて新しい形の広報、会員拡大の形の模索を行い導入していく必要があります。
おわりに
我々青年会議所のメンバーは各々が違った仕事を持ち、家庭を持ち、自分の生活を持っています。そのなかで時間をやりくりしながら目的に向かって活動しています。
のびのびと楽しみながらJC活動、JC運動をするために必要なことは必死になることではなく夢中になることです。必死でやることと夢中でやることは同じことをこなしていてもその結果や持続性、周りへの影響などが全く異なってきます。その実現のために、会員一人ひとりが個性を活かし自分を表現しながら活動できる組織であると同時に、その上で設立当初からの目的である「明るい豊かな社会」の実現という初心を共通理念として各々が同じゴールを目指してJC活動、JC運動ができるよう邁進していきます。
スローガン
多様性の融合 違うということが生み出す新たな価値
基本計画
一、新しい形での組織運営の構築
一、変化に対応し学び直せる青年経済人の育成
一、多様な価値観を受け入れられる青少年の育成
一、会員一人ひとりが個性を発揮しつつ調和できる組織づくり
一、メンバー全員で行う会員拡大