第57代理事長  林 利憲

 

【はじめに】 

1970年、船橋市の発展を願い、志を同じくした65名の先輩諸兄のもと船橋青年会議所が誕生をして56年の歳月が経ちました。これもひとえに地域を愛した、多くの方々の絶え間のない努力が伝統として継承されてきたからに他ならないものと考えます。諸先輩たちが築き上げた歴史ある船橋青年会議所を今後も恒久的に繋いでいき、創設より脈々と受け継がれてきた「明るい豊かな社会の実現」の為に会員一人一人が目標に向かって運動を展開し、船橋青年会議所の更なる飛躍に繋がるよう活動をしていきたいと思います。

 コロナ禍が一つの区切りを迎え、変化が著しい時代が到来しています。人と人との関わり方や働き方、デジタル化への推進など本来であれば徐々に移行しながら社会に根付き普及していくものが、急速に求められる時代へと変わってきました。その様な時代の中において青年会議所に必要な事は、社会の変化を読み、真に求められているものを先駆的に展開していく事が今後より一層重要な事になると思います。それには一人の力だけでなく皆で協力をして、活動・運動をしていく事が重要です。船橋青年会議所が地域に根差した、心と心が繋がる団体としての価値を更に高めていきたいと考え歩みを進めてまいります。

【知ることから始まる組織力の強化】

ここ数年で船橋青年会議所のメンバーが多く入会いたしました。それは、組織を運営していく上で非常にプラスであり、メンバーが増えることによる知識の向上や新たな価値観を見つけられる大きなチャンスであると考えます。しかし、メンバーの大半は入会2年未満の会員が多く、青年会議所とは何かを正確に把握できていないという現状もあります。会を運営していく上で重要な事は青年会議所の魅力や役割、何を学べる場所であるかを会員が掴んでいく必要があるものと考えます。また、会員一人一人が担いを理解して活動していく環境作りも必要となってきます。

会員各々が青年会議所の魅力を理解し、担いを超えた中での協同が出来る、体制作りを進めてまいります。

【会員拡大について】

 会員拡大において、一時期の会員の減少による危機的状況を乗り越えた部分があると感じてはおりますが、今後も歩みを止めるわけにはいきません。更なる会の飛躍や会員相互の成長にはメンバーの増加は必要であり、新たなメンバーの知見から生まれる今までになかった別の価値基準の創造にも寄与するものと考えます。

 その中において大切な事は、入会歴の長さや短さに関係なくメンバーが増えたことによる知見の共有からなる自己成長の機会や新たな友情が生まれるプラスの面、会員増加における組織のメリットを皆で認識していく事が必要となってきます。また、拡大に重要なことは拡大担当者だけでなく、メンバー各個人が当事者意識を持って拡大に繋がる行動を起こしていく事が必要となってくるものと思います。

 交流を通して友情を育む環境を整えた中での、意識変革に繋がっていく拡大を目指してまいります。

【心豊かな青少年健全育成】

情報社会・デジタル化の推進により子ども達の置かれている環境は大きな変革期を迎えています。時代の流れがコロナ禍を通してより変わってきている昨今においては、必要なものを自ら取捨選択をした中で他者と協同し、新たな価値を創造していく事が必要になってくると考えます。情報を簡単に入手することが出来る時代において、その情報をどう活用していくのか、また得られた情報を分かりやすく表現し伝達していく事が重要となってくると考えます。ネット社会に早くから触れている今の子ども達において情報をより活用でき日常生活に生かしていきながらも学習できる青少年の育成を目指してまいります。

全ての子ども達は皆平等に機会の提供を受けるべきものと考えます。しかし、所得や環境による格差が生まれ、物事を経験、体験するという意味では差が出てきていることも問題と捉えています。これには、経験する事で得られる多くの知識や感性、成長する機会を等しく享受できる環境を作ることが必要です。特に国際化が益々進んでいる船橋市においては、多くの感性に触れ、他者との協力や協働を通して相互理解のもと、個性を伸ばしていく事も重要となってきます。

共生社会の理解促進が必要とされている現在において、子ども達が心を豊かに成長出来る取り組みを進めてまいります。

【地域循環型のまちづくり】

 まもなく人口が65万人を迎えようとしている船橋市において、重要な事は今ある環境をどのように残して強みを生かしていくのかにあります。それは今ある自然資源を生かして魅力ある地域資源を伝え残していく事が重要であり、資源だけでなくそこに関係する人材にも目を向けていく必要があるものと思います。

船橋市には、多くの魅力ある資源が存在しますが未だにそれを市民の方に伝わり切れていない面もあります。市民アンケートを見ても船橋市の魅力というのは立地条件が上位に来ており、現在の環境やそこに携わる人といった地域資源をより知る機会の提供は必要となってきます。

本市の魅力がより伝わり、今ある資源を最大限に生かしていける取り組みを進めてまいります。

【思いやりのある人材育成】

 真のリーダーとは何か。これは結果を出す事や新しい価値を創造する事、チームを統率して目標に向かわせる事など、リーダーに求められるものとしていくつか挙げられますが、どれをとっても人と人が関わっている中で物事は進んでいきます。デジタル化やAIの発展により人との関わりやコミュニケーションを取らなくても出来てしまう事柄は多くなってきましたが、最後は人と人とが繋がりその中で物事が進んでいくものであると思います。

 人は一人では何かを成し遂げていく事は難しいものであると考えます。そこには誰かがいて、道筋を立て協力をし、次に進んでいきます。そのことを忘れず他者を敬い、考え方や思いをしっかりと理解した中で進んでいく事が人材の成長や育成面において必要になってくるものと思います。人間性が高まり心と心が繋がることによる何事にも邁進出来る人材の育成を目指してまいります。

【わんぱく相撲の開催】

 2024年に実施をしたわんぱく相撲は多くの参加者に恵まれ、結果として高学年の選手は全国大会へ出場し優秀な成績を収めました。私はわんぱく相撲に出場した選手一人一人の姿を見た中で感じたことは感動を与える場となるだけでなく、そこに関わった人の心の成長に繋がる機会でもあると思います。

 武道において重要な事は他者を敬い、礼節を持って向き合う事であると考えます。強さを追い求める事も大切な面ではあるかもしれません。しかし、相手がいるからこそ勝者と敗者が生まれ喜びや悔しさといった感情を感じることでき、それを理解することで思いやりのある心が成長できるものと考えます。昨年得た経験や知識を基に、重要な面である人と人とが真剣に向き合い、心の成長に繋がる機会を今後も残していく事が必要です。

礼節を重んじ子ども達の成長に繋がるわんぱく相撲の開催を継続して目指してまいります。

【おわりに】

 船橋青年会議所には無限の可能性があるものと考えています。普段の生活では出来ない多くの学びを得る事や業種を超えた友情から育む人間関係の構築、船橋を超えて挑戦できる環境など、関りが強くなればなるほど必要としているものを見つけられる場所であると思います。また、青年会議所が目指す「明るい豊かな社会」の実現を信じて進めば、そこに関わってくる人に対して必ず何かを掴んでもらえる機会が提供されることと信じています。一人の力でなく共に手を取り合い、青年会議所があって良かったと思ってもらえるような団体となるよう、設立より脈々と受け継がれている想いを胸に全力で邁進してまいります。一年間よろしくお願いいたします。

【スローガン】

  万里一空

【事業計画】

一、知ることから始まる組織力の強化

一、当事者意識を持った会員拡大

一、心豊かな青少年健全育成

一、地域循環型のまちづくり

一、思いやりのある人材育成

一、わんぱく相撲の開催