はじめに
第54代理事長 原島庸高
はじめに
あなたは今、幸せですか?
私は、1982年に生を受け、高校までの18年間を「ふるさと」である船橋市で過ごしました。高校卒業後は大学、就職で地元を離れることになりましたが、県外に移ったことで、船橋に対する「ふるさと」という印象は強くなりました。この「ふるさと」への想いが積もる中、父の急逝もあり、9年の時を経て船橋に戻ることになりました。そして、船橋に戻って3年目、2012年に先輩に誘われて、参加した青少年事業42.195km徒歩の旅で私にあだ名をつけてくれた少年に出会いました。全力で事業に取り組む中、子どもたちの笑顔や喜ぶ姿を見て感動したことを今でも思い出します。そして、地元の為に頑張っている先輩たちの姿を見て、なんと楽しそうな団体だと思いました。私は、この多くの人との出会いから、「ふるさと」である船橋をもっと良くしていきたいという気持ちになり、船橋青年会議所への入会を決意したのです。
そう。幸せ溢れる、明るい豊かな船橋のために。
「地域を変えるには、【よそ者、若者、バカ者】が必要だ」、とよく言われます。「よそ者」とは、俯瞰的に見る事。「若者」とは、若者らしい行動力。「バカ者」とは、普段とは違う発想力。これらは則ち、様々な視点から見て考えることで普段とは違う発想をし、行動することが求められています。そして、現在は新型コロナウイルス感染症により、これまで当たり前だと思っていた我々の日常は、一変してしまいました。新しい生活様式の中で、少しずつ社会活動を取り戻しつつありますが、経済と健康の不安は我々の生活に暗い影を差し、まさに混沌とした時代に突入したといっても過言ではありません。青年会議所の活動・運動もまた、大きく様変わりし、いま改めて青年会議所活動の在り方が問われています。オンライン化が進み、人と人との関わりが希薄になりつつある 今だからこそ、その重要性を見つめなおし、新しいことに挑戦し、考え、最善策を模索し、実行していくことも重要なことと考えます。
今から遡ること52年前の1970年。
船橋の地を「明るく豊かな社会」へ築き上げようと、65名の志高い青年達が立ち上げたこの船橋青年会議所は、数多くの諸先輩方の知恵と汗とで作り上げてこられた活動や功績に支えられ、今日があります。私達が今力強く活動が出来ること、また産官学民の様々な市民の皆様から多大なる支援や協力を得ることが出来るのは、半世紀に渡る活動の結晶とも言えるこの歴史と伝統があるからに他なりません。
53年目のスタートを迎えるにあたり、私達は今一度先人から受け継いでいるこの歴史と伝統へ感謝の気持ちを胸に深く刻み、力強く踏み出してまいります。
スポーツの力を地域から始めよう
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、子どもたちは多くの機会が奪われています。特に、運動の機会は、多くの運動施設が閉鎖を余儀なくされたことで減少してしまいました。しかし、この状況であっても日本でなら開催できるとして、当初は開催も危ぶまれていた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も一年延期で無事オープニングを迎え、多くの選手が活躍されました。インタビューで「開催して頂き、感謝します」と語っていた選手がおり、開催されなければ、そのチャンスすらなかったかと思うと、そのコメントが鮮烈に胸に突き刺さりました。
スポーツの力は大きい。そう思わせたオリンピックでは、日本人選手のメダルラッシュに沸き、多くの勇気を貰いました。国を代表して戦う世界的スポーツの祭典であり、この国際競技から得られる感動は計り知れません。競技を観覧した子どもたちが、そのスポーツを始めるきっかけにもなりスポーツ人口が増えるといった統計もあります。我々はこのスポーツの持つ力を信じ、子どもたちにはスポーツを肌で感じてもらうことで、人生の糧となる原体験の機会を創出します。青年会議所ならではのスポーツ事業を展開することで、未来を担う子どもたちの成長へとつなげます。
会員拡大
2014年、全国大会松山大会の卒業生代表スピーチで、特に印象に残っている言葉がありました。「偶然でない必然の出会い」というフレーズです。
その後のJC活動に於いて、様々な人との出会いが有りました。正にこれは偶然ではなく、必然の出会いなのだなと感じることも多々ありました。住んでいる地域も職種も違う人々が出会う事によって、この人とは一生出会えなかったかもしれないと思いながら議論をしたり、委員会を介して事業を行ったりとすることで自分の学びへと繋がりました。
近年、本会議所の人数減少に伴い、JC活動・JC運動において、楽しんで例会や事業を行う人も少なくなってきています。楽しむためには、一生懸命関わることです。それは議案に対してでもあり、メンバーに対してでもあります。負担ではなく、負荷として一生懸命関わっていくことで、我々船橋青年会議所会員のみならず、関わった人達を幸せにすることにも繋がります。そうした必然の出会いを増やすため、会員の拡大を図ります。
2023年を20人でスタートすることを目指し、新しい出会いが楽しい学びに繋がるよう、会員拡大いたします。
住みよいまちを共に創ろう
船橋市は、政令指定都市以外では最大の中核市として、2020年には64万人を突破しました。
都心から近い、様々なアクセスが容易等といった理由から、住む人は増加傾向にあります。しかし、住み始めた人にとって住んでよかったかどうかについてはまた別で、快適性の問題があるように感じます。保育園の待機児童問題や、道路の交通渋滞、通勤電車の混雑等といった問題です。さらに近年では、大地震やゲリラ豪雨、大型台風による自然災害に加え、感染症への備えにも、より一層取り組む必要があります。我々は、住みよい船橋のために、日々の生活の幸福度を上げていかねばなりません。
地域が抱える様々な問題が進む中、持続可能なまちづくりを行っていくためには、これから社会に出て行く次世代の若者の育成は重要性を増しており、その中で経済産業省が提唱した「社会人基礎力」は、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として有効であるとされています。
社会人基礎力の向上として「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」を身に付け、地域を牽引する有能な青年経済人を育成するべく、若者を対象に、地域の課題を解決する企画立案体験の事業を構築します。
地域から信頼される会議所の基盤
地域から信頼される組織として、総務は適正かつ厳格に、かつルールを逸脱しない範囲で臨機応変に組織運営を行わなければなりません。まずは、財政面については、運動・事業が最大限の効果を発揮するためにも費用対効果を見極めるとともに、財務の健全化を図る必要があります。そして、公益目的事業比率50%以上を満たせるように事業の公益性についても追求していかなければなりません。また、規則面については、法令をはじめ定款、諸規則、社会的規範を遵守するとともに、コンプライアンスを維持・改善するために、ガバナンスを強化していかなければなりません。書類や会計処理に追われることにより運営が繁雑化していないか、また、事業の自由度の違いやメンバーの負担などについて、一般社団法人と公益社団法人の違いを検証します。
今後の広報は、SNSを通じて積極的な広報を行っていくと同時に、青年会議所メンバー内への機会提供も行います。会議運営に関してもWEB方式も視野に入れ、リアル開催からハイブリッド開催、完全WEB開催と臨機応変に対応するとともに、常に情報をキャッチしながら新しい様式も模索していきます。そして、昨年同様SDGsを推進することで持続可能な運営を目指します。
おわりに
今まで仕事や、JC活動・JC運動を経験してきたなかで、お客様からや、参加者の方からの感謝の一言が自分の中での原動力でした。誰かに喜んでもらえることが楽しくて、裏方の業務も楽しんでやっていました。
青年会議所も地域とそこに住まう人のために、事業を展開していく必要があります。そこで、青年会議所の単年度制の良いところを最大限活かし、悪いところは徹底的に直し、常にアップデートしながら理事長の責務を全うして参ります。
常に同じ角度からではなく、多角的な視野をもって機会の提供をし続けることで、明るい豊かな地域の創造と我々自身の成長へと繋がり、それこそが皆が幸せを感じられる船橋へと昇華するのです。
スローガン
BE HAPPY!!
基本計画
一、スポーツの力による地域の発展
一、メンバー全員で行う会員拡大
一、住みよいまちの創造
一、次世代育成の為の多くの人を巻き込んだ運動
一、総務・財政の見直し
一、活動・運動を知ってもらえる広報